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代表者のブログ

最近思った事、気がついた事

完全民主主義の企業経営

サンフランシスコの空港でこのブログを書いています。

現在、アメリカ国内を旅行中ですが、昨日、この旅の目的の一つであったアルバラードストリートベーカリー社(ASB)を訪問し、社長(CEO)のタックさん(Mr.Joseph Tuck 写真)にインタビューしてきました。
ASBはサンフランシスコからゴールデンゲートブリッジを使って車で1時間ほどのPetalumaという町にあるパンを製造、販売する会社ですです。

ここでは120人の従業員が働いていますが、彼らは従業員であるとともに会社のオーナーでもあります。年商は2780万ドル、主な得意先は全国の主要なスーパーマーケットで、環境志向、健康志向の高い商品が強みで、世界最大の自然食スーパーであるホールフーズとの取引額も大きな企業(?)です。工場の設立は1977年、タックさんは1981年入社で、初代の社長でもあります。

私がここを知ったのはマイケルムーア監督の映画、「キャピタリズム・マネーは踊る」の中でこのパン工場が紹介されていたからです。
この映画でこの会社を知って以来、ここを訪ねるのは念願でした。
マイケルムーアはこの映画で弱肉強食の現代アメリカの資本主義を痛烈に批判していますが、完全な民主主義的運営を企業経営に取り入れて成功している企業の一つとしてここを紹介しています。

ここでは社長を従業員が選び、重要な会社の意思決定もすべて従業員の承認の元、民主的に決定され、報酬は公平に分けられ、業界最高の給与水準と高い収益性を両立させており、そのことが映画では紹介されていました。この映画にも出ているタックさんはクリントイーストウッッド似で、ピアスをした穏やかな人物です。

タックさんの上司は従業員が選んだ9人の取締役(理事)達です。9人の任期は3年で、選挙でこれも従業員の中から選ばれます。
CEOのタックさんは会社を経営するうえで必要なこと、例えば経営計画の作成やその実施状況報告、人事や報酬に関すること、その他の重要事項をこの取締役会に報告し、その承認を得て実行しています。経営内容はすべてガラス張り、各自の報酬を含めて一つの隠し事もありません。
従業員は損益計算書やバランスシートを読む事ができ、会社の状況をよく理解しています。

利益目標はだいたい売り上げの8%だそうですが、これを超えた利益はすべて社員にボーナスとして公平に分配されます。ちなみに昨年のボーナスは一人当たり3万5千ドル(およそ300万円)だったそうです。ただし、従業員がオーナーですから、会社の内部留保になった利益も結果従業員のものになります。

私は企業経営というのはこのASBのような方向に進化していくのが正しいと思っていますが、実際ここを訪問し、話を聞いて、そのことへの確信を深めることができました。

今回は1時間ほどの訪問でしたので、あまり詳しい話は聞けませんでしたが、時間があればもっと面白いエピソードも聞けそうに思いました。
近いうちに、このパン工場も含めて今後の企業経営の正しい方向性を学ぶ研修ツアーを企画して、改めて経営者の皆さんと勉強する機会があればと思います。

追加の写真や映像、コメントも次回アップします。

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